学校のセキュリティを高めるIPインターホンの活用
- enari hisashi
- 2 時間前
- 読了時間: 12分
学校では、教育活動はもちろん生徒や児童の安全確保、保護者・業者などの来訪者管理など、多岐にわたる業務が教職員に求められます。しかし、限られた人員の中でこれらを担うことは大きな負担です。そこで、学校でIPインターホンを活用する事例が増えています。IPインターホンは校門のオートロックにも対応できる他、スマホやPCなどと連動し、どこからでも遠隔操作が可能です。校門以外にも、複数の出入り口からの来訪者管理を一元的に行えるため、セキュリティ強化と教職員の業務負担軽減の両立ができます。
◎学校におけるセキュリティとコミュニケーションの課題
近年、学校などの教育現場において、安全対策と情報伝達手段の充実が求められています。とくに、セキュリティ面においては、不審者の侵入防止や児童・生徒の安全確保といった課題は深刻です。従来の学校では、校門や昇降口は常に解放されていることが多く、不審者も容易に学校内へ侵入できる状況でした。実際に学校へ侵入した不審者が児童や生徒、職員へ危害を加える事件も発生しています。この状況をうけて、現在は校門をオートロック化し、関係者以外学校内へ立ち入ることができない環境を構築するケースが増えています。しかし、校門をオートロック化することで、来訪者はインターホンを鳴らし学校内の職員に解錠してもらう必要があり、職員の業務負担増加が問題です。従来のインターホンは職員室や守衛室の親機からしか対応できないため、職員室や守衛室が不在であれば来訪者に応答することはできません。そもそも敷地が広い学校では、アナログな配線で通信を行う従来のインターホンを設置することが困難な場合もあります。また、学校においては日常的なコミュニケーションに関する課題もあります。敷地の広い学校では、職員室と教室、校門と事務室といった複数の拠点間で円滑かつ迅速に連絡を取り合いたくても、従来のインターホンや放送設備では困難です。多くの場合、学校内の連絡手段には内線電話や校内放送が利用されていますが、電話は一対一の手段であり、緊急時に複数の教室や職員室へ情報を伝達することはできません。校内放送は一斉連絡が可能ですが、教室ごとの状況に応じた双方向のやり取りはできません。放送室から一方的な指示を出すだけに限られます。これでは、災害発生時や事故対応時のように、現場の状況を正確に把握しながら的確な指示を出す必要がある状況での連絡手段としては、不十分と言わざるを得ません。広い学校では、放送室までの移動にも時間を要し、非効率なうえ業務負担も増加してしまいます。さらに、学校においては日常的な来訪者対応においても課題があります。学校では日常的に保護者や外部の業者の訪問がある一方で、不審者の侵入は防ぐことが重要です。そのため、誰が来たのかを正確に確認し、必要に応じて記録を残すなどのシステムが求められます。しかし、従来のインターホンや呼び出しベル、内線電話では、来訪者の顔を確認できず、対応する教職員が校門まで出向く必要が生じます。記録も自動では残りません。来訪者や教職員が台帳などに記載し、記録を残すことが一般的です。これでは、時間と手間がかかり、教職員の業務負担増加も否めません。対面で確認するため、安全面のリスクも残ります。加えて、学校においては緊急時のコミュニケーション手段も課題です。火災や地震、あるいは外部からの脅威があった場合、全校生徒を守る必要があります。一斉に情報を届けると同時に、各教室や現場の状況を教員間で迅速に共有できる仕組みが必要です。正確に情報を共有できなければ混乱を招き、迅速な避難誘導や、児童・生徒の安全確保が難しくなります。実際の現場では、放送を聞き逃したり、緊急連絡が伝わらなかったりといったケースも生じます。そのため、確実な双方向の連絡手段が重要視されるようになりました。このように、学校におけるセキュリティとコミュニケーションの課題は表裏一体の関係です。生徒の安全を守るためには、不審者の侵入を防ぐ仕組みと、万が一侵入された場合やトラブル発生時に迅速かつ正確な情報を伝達できる仕組みの両方が求められます。それでいて、教職員の業務負担も考慮しなければなりません。従来のアナログなインターホンや放送設備では、こうしたニーズを満たすことが難しいといえます。現代の学校においては、より高度で柔軟なセキュリティとコミュニケーションシステムの導入が不可欠です。
◎セキュリティとコミュニケーションニーズを満たすIPインターホンの特徴
現代の学校において、急速に普及が高まっているのがIPインターホンです。IPインターホンとは、IP(インターネットプロトコル)を利用して音声や映像の伝送を行うインターホンです。従来のアナログインターホンとは異なり、IPインターホンはネットワークを介してデジタル通信を行います。この通信技術により、アナログインターホンでは実現できない高い柔軟性と拡張性をもつのが特徴です。まず、IPインターホンはスマホやPCなどにインストールした専用アプリと連動することで、どこからでも遠隔操作が可能です。従来のアナログインターホンは通信用の配線で接続された機器同士でしか来訪者に対応できなかったのに対し、IPインターホンであればネットワークに接続可能な端末と連携し来訪者に対応できます。持ち歩くスマホがWi-Fiやモバイル回線につながった状態であれば、どこからでもIPインターホンの呼び出しを受信できる仕組みです。IPインターホンを鳴らした来訪者の映像をスマホで確認し、通話機能で応答、遠隔操作でオートロックの解除もできます。通信に距離制限はないため、学校内・外問わずどこからでも応答可能です。また、IPインターホンは映像や音声の品質が高いのも特徴です。来訪者の映像を鮮明に確認し、ストレスのない会話ができます。さらに、IPインターホンは他社製のネットワーク製品との連携により、柔軟なセキュリティシステムの構築も可能です。防犯カメラやネットワーク対応表示灯台、 IPスピーカーなど、これまで別々に管理運用されていた機器と連携し、統合的に管理できます。これにより、管理運用の効率化だけでなく、更なるセキュリティ強化も実現します。また、IPインターホンは導入費用や導入スピードに関しても、アナログインターホンとは異なる特徴があります。まず、従来のアナログインターホンは大がかりな配線工事と複雑な電源工事が必要であったのに対し、IPインターホンは配線工事・電源工事が不要です。既存のLANやWi-Fiを活用できます。機器同士が直接通信を行うP2P方式のIPインターホンであれば、専用サーバーも不要です。これにより、導入コストと運用コストを同時に抑えられます。大規模な配線工事が不要な分、導入も簡単です。シンプルなLAN配線を利用し、電力の供給と通信を行うことができ、スピーディに取り付けが完了します。出入り口に設置したIPインターホンはスマホやPCと連携できるため、親機などを設置する必要もありません。IPインターホン取り付け後は、スマホなどの端末に専用アプリをインストールするだけで、すぐにIPインターホンシステムを構築できます。また、IPインターホンは接続台数や通信距離に制限がありません。そのため、複数の出入り口や広い敷地を有する学校への導入も最適です。各出入り口に設置したIPインターホンを、職員室の管理用親機や職員が持つスマホから一括管理することもできます。出入り口ごとに専用の親機を設ける必要はなく、管理側の負担も軽減できるのが特徴です。
◎IPインターホンを学校に導入するメリット
IPインターホンを学校に導入することで、セキュリティ強化と効率的な連絡システムの構築が可能です。まず、IPインターホンは各出入り口のオートロックに対応できます。防犯強化のため校門のオートロック化が進んでいる現代の学校において、IPインターホンを取り付けておけば職員室が無人の時間も来訪者対応をスムーズに行うことが可能です。IPインターホンはスマホと連動できるため、教職員が持ち歩くスマホから来訪者の呼び出しに対応できます。常に職員室に居る必要はありません。教室や移動中であっても、スマホから映像確認、通話、オートロックの解錠もできます。高品質な映像で来訪者を確認し、通話でやり取りしてから解錠できるため、安全性が高いのもメリットです。また、遠隔操作機能により教職員の業務負担軽減も実現します。来客対応のために校門まで出向いたり、来客が鳴らしたインターホン対応のため職員室に誰かいなければいけないといった非効率な状況も回避可能です。IPインターホンと複数のスマホを連携させることもできるため、一人の教職員に来訪者対応業務を負担させる必要もありません。複数の教職員がIPインターホンと連携したスマホを持ち歩けば、どこからでもIPインターホンの呼び出しに対応でき、担当者に引き継ぐといった手間も削減できます。また、IPインターホンであれば複数の出入り口を個別に監視・対応するのではなく、一括で状況を把握できる仕組みを構築できます。これにより、不審者侵入やトラブル発生時の初動対応を早めることが可能です。教職員はスマホや管理用親機などの端末を利用し、常に見守り体制を維持することで、不審者の侵入を抑止することができます。また、一台のスマホや管理用親機から、全出入り口の呼び出しに対応するだけでなく、訪問者の映像履歴などの確認も可能です。これにより、管理コストや業務時間の削減にもつながります。さらに、顔認証に対応しているIPインターホンであれば、事前に顔を登録した者は呼び出しを行わなくても解錠できます。たとえば、ほかの生徒と登下校の時間が異なる不登校の生徒なども、顔認証を利用すれば呼び出し不要で心理的負担を軽減することが可能です。自身の顔をIPインターホンに向けるだけでオートロックを開錠できます。生徒全員の顔情報を登録しておけば、登下校時に校門を開放していなくても、スムーズに出入りすることが可能です。認証速度が速い顔認証であれば、認証のために混雑することはありません。教職員も鍵を持ち歩く必要がなくなり、鍵の管理に関する負担やストレスも減少します。また、IPインターホンは教職員間の連絡手段にも利用できます。職員室に管理用親機を設置しておけば、管理用親機から各教職員のスマホに連絡することも可能です。これにより、緊急時の連絡共有も迅速かつ確実に行えます。映像通話ができるため、現場の状況を正確に理解しやすく、混乱を招くリスクを低減し適切な対処が可能です。IPスピーカーとIPインターホンが連携すれば、校内放送のように活用することもできます。また、学校内の各地にドアホンなどを設置すれば、そこから管理用親機や教職員のスマホとも連絡を取ることも可能です。遠く離れている教室と教室、職員室と教室、体育館など、さまざまな場面をつなぐ連絡手段として活用できます。生徒の怪我など突発的な事態が生じても、その場を離れずに職員室や保健室などと連絡を取り合うことも可能です。IPインターホンはモニター付きのため、画面で見てコミュニケーションをとることができ、情報を正確に伝達することができます。また、IPインターホンは予算に限りがある学校でも導入しやすいのがメリットです。IPインターホンはネットワーク通信を行うため、配線工事不要で導入できます。サーバー設備も必要ないため、導入費用を大幅に削減できるのが魅力です。専用サーバーが不要なことで、IPインターホンの維持・運用にかかわる費用も削減できます。IPインターホンの電源はLANケーブルから供給するPoE給電対応のものが多く、どこにでも設置しやすいといったメリットもあります。シンプルなLAN接続で電力を供給できるため、電気工事士による電源工事も不要です。取り付けもスピーディに完了し、すぐにIPインターホンシステムを活用できます。さらに、IPインターホンは取り付けが簡単なだけでなく、接続台数や通信距離に制限はありません。敷地が広くて従来のインターホンでは取り付けが難しかった学校でも柔軟に対応できます。校門だけでなく、裏口や昇降口、グラウンドや体育館など様々な場所に設置し、各出入り口を一括管理可能です。学校のニーズに合わせて設置場所と台数は自由に選択でき、各学校に合ったIPインターホンシステムを構築できます。
◎学校にIPインターホンを導入した事例
IPインターホンの導入により、セキュリティ強化と教職員の業務負担軽減が実現することで、学校本来の目的である子どもの「学び」や「成長」をさらに充実させることができます。
コストを抑えて手軽に取り付けできるため、多くの学校で導入が進むインターホンシステムです。
〇小学校にIPインターホンを導入した事例
学校のセキュリティ強化を目的に校門をオートロック化したものの、頻繁な来訪者対応に教職員の業務負担増加が課題となっていた小学校において、IPインターホンが導入されました。IPインターホン導入後は、教職員が持ちあるくスマートフォンから来訪者の顔を確認し、遠隔でオートロックの解錠が可能となり、毎回校門まで出向く必要もなくなっています。ほかの業務を行いながらでも手持ちのスマホから来訪者に応答できるため、業務効率を高めることもできました。また、職員室には管理用親機を設置したことで、各職員のスマホへの呼び出しも可能となり、職員間の連絡を簡略化することにもつながっています。専用サーバーや配線工事が不要で導入できるIPインターホンのため、予算が限られる学校においても問題なく活用することができました。
〇中学校にIPインターホンを導入した事例
中学校においては、部活動や放課後の時間帯、生徒が残っていることも珍しくありません。こういった時間もセキュリティを強化することを目的に校門や昇降口をオートロック化するとともに、IPインターホンが導入されました。顔認証で解錠できるIPインターホンであれば、部活動などで一旦校外へ出た場合でも、顔認証でオートロックを解錠できます。これにより、教職員に負担を強いることなく入退室をスムーズにする仕組みを構築できました。体育館や教室など各フロアにIPインターホンを設置したことで、緊急時の連絡手段としても活用できています。生徒は安全な環境で生活できることで、保護者からもご好評いただいています。
◎まとめ
IPインターホンを学校に導入することで、学校特有のセキュリティとコミュニケーション課題を解決できます。それでいて、教職員の業務負担は軽減できるのが魅力です。低コストで導入でき、運用費用や維持費用も削減できるため、予算の限られた学校においても問題なく活用できます。ギガテックのIPインターホンは、使いやすさを追求したシンプルな操作性で、導入シーンのセキュリティを高めます。IPインターホンの導入に関するご相談は、お気軽にお問い合わせください。