工場業務を効率化するIPインターホンの活用技術
- enari hisashi
- 8月4日
- 読了時間: 13分
更新日:8月12日
従来のインターホンに比べて柔軟性の高いIPインターホンは、工場での活用にも最適です。遠隔操作や高品質な映像通話はもちろん、外部機器や既存システムとの連携により工場業務を効率化することができます。IPインターホンには通信距離や接続台数に制限がないため、敷地が広く倉庫や生産ラインが分散した工場であっても、管理室やスマートフォンなどから全エリアの出入り口を管理することも可能です。工場のセキュリティ強化や業務効率化に貢献します。
◎工場特有の課題とIPインターホンの必要性
大規模かつ組織的な生産活動を行う工場には、機械設備や生産ラインが導入されているため敷地が広いのが一般的です。そのため、オフィスや店舗とは異なる独自の課題が存在します。まず、工場は敷地が広いだけでなく、建物が複数の棟に別れていたり、屋外に広いヤードや倉庫を抱えているケースも少なくありません。この場合、各部署間の移動に時間がかかるのはもちろん、連絡のたびに人が動かなければならないケースもあります。これにより、非効率な状況が発生しやすい環境です。さらに、人や車両の出入りも多く、従業員だけでなく業者や配送業者、委託作業員など外部の人間も頻繁に出入りします。そのような環境でセキュリティを保つため、正確な入退室記録と本人確認が必要です。しかし、警備員や受付が常駐していない時間や、無人ゲートのような環境では、来訪者の確認が遅れたり、関係者以外が工場内に立ち入るリスクが生じる恐れは否めません。また、火災や機械トラブル、作業中の怪我など突発的な事態が発生した際、速やかに情報を共有する手段も必要です。従来は非常ボタンや拡声器などを使っていましたが、音声だけでは状況を正確に伝えきれず、かえって混乱を招く可能性もあります。このように、広さ、人の出入りの多さ、トラブル発生時の対応といった工場特有の課題に適したシステムが必要です。そこで、近年は柔軟な来客対応や外部機器との連携を可能とするIPインターホンを導入する工場が増えています。IPインターホンを導入することで、遠隔操作での来客対応や利便性の高い従業員の入退室管理だけでなく、外部機器との連携や工場内の連絡手段としても活用できます。多機能なIPインターホンにより、業務効率化を実現するシステム構築が可能です。
◎IPインターホンの基本機能と仕組み
IPインターホンとは、LANやIPネットワークを活用したインターホンシステムを構築する先進的なインターホンです。従来のインターホンシステムは有線で機器同士を接続し音声や映像のやり取りを行うのに対し、IPインターホンはLANやIPネットワークを活用しデジタル通信を行います。そのため、機器同士の距離に制約されず映像通話や遠隔操作が可能です。IPネットワークを活用するIPインターホンであれば、出入り口の数や敷地面積に関係なく柔軟なインターホンシステムを構築することができます。たとえば、広大な敷地をもち、複数の出入り口がある工場などにおいても、管理事務所や守衛室などから全ての出入り口を一元管理することが可能です。従来のインターホンは接続台数に制限があるうえに、アナログな配線を利用し通信を行うため、敷地面積が広い工場では設置できないケースもありました。一方、IPインターホンはネットワーク通信を行うため、接続台数や通信距離に制限はありません。敷地面積が広くても通信環境さえ整えば、どこからでも遠隔対応が可能です。IPインターホンの基本機能としては、高品質な音声と映像の通信、録音・録画、専用アプリを利用したスマートフォンとの連携、他社製の外部機器や既存システムとの連携などがあります。出入り口に設置したIPインターホンで呼び出しを行うと、連携したスマートフォンに通知が届き、スマートフォンから映像確認や通話、遠隔操作で解錠もできます。IPインターホンと複数の端末を連携させることもでき、同時に接続することも可能です。通信に距離制限はないため、どこにいても来訪者に対応できる環境を構築できます。また、IPインターホンは多様な解錠方法を利用でき、正確性の高い入退室管理を実現します。利用可能な解錠方法は導入するIPインターホンによっても異なりますが、スマートフォンアプリやQRコード、ICカードや暗証番号、顔認証や指紋認証といった生体認証による解錠も可能です。なりすましや偽造が困難な解錠方法によりセキュリティを高めつつ、正確性の高い入退室管理を行うことができます。さらに、外部機器との連携が可能なIPインターホンは、防犯カメラや入退室管理システムとの連携も可能です。これにより施設全体のセキュリティ設備を一括管理することができ、効率的な管理・運用体制を築くことができます。
◎工場におけるIPインターホンの活用法
工場におけるIPインターホンの活用法は、単なる来客対応だけではありません。まず、IPインターホンを導入すると、ひとつのシステムで工場内におけるコミュニケーションの大半を網羅できます。たとえば、IPインターホンと連動したスマートフォンやタブレットなどの端末に、管理人室や本社など離れた場所にある管理端末から通話することもできます。工場内にIP対応スピーカーを設置し、IPインターホンの管理端末と連携すれば、そこから放送を流すことも可能です。従来、これらの設備は異なる通信方法を利用していたため、管理・運用も別れていました。しかし、IPインターホンシステムを導入すれば、ひとつのシステムに統合することが可能です。また、IPインターホンは生産ラインと管理事務所間で使用する連絡手段としても活用できます。たとえば、生産ラインにIPドアホン、管理事務所にIPインターホン管理親機などを設置すれば、生産現場からも事務所からも呼び出しや指示の伝達ができます。スマートフォンとも連携できるIPインターホンであれば、作業員がもつスマートフォンに管理親機から個別に指示を出すことも可能です。これにより、映像や音声を用いて生産計画の変更やトラブルに関する情報を素早く伝達することができます。このように、IPインターホンは特定の人物あてだけでなく広範囲への伝達にも活用でき、用途に応じた効率的な情報伝達が実現します。また、来客対応を目的に出入り口へIPインターホンを設置すれば、守衛室にいる警備員が巡回中でも来訪者対応が可能です。IPインターホンはスマートフォンと連携できるため、呼び出しがあれば警備員がもつスマートフォンから対応できます。来訪者の映像を確認し、通話で対応、遠隔操作で解錠も可能です。守衛室や管理事務所のない工場であっても、本社などから来訪者に対応することもできます。また、工場に勤務する従業員は、ICカードや暗証番号、顔認証などの生体認証を利用し解錠できます。生体認証はセキュリティ性が高く、なりすましによる不正は極めて困難であるため、信頼性の高い入退室管理が実現します。顔認証は非接触で解錠できるため利便性も高く、衛生管理が求められる工場での活用にも最適です。また、工場のメイン出入り口にはIPインターホンを、工場内の倉庫や事務所といった各エリアの出入り口にはIPドアホンを設置するというように使い分けることもできます。各出入り口に設置したIPインターホンやドアホンは一元管理できるため、管理・運用も効率的です。用途に応じてセキュリティレベルを調整し、柔軟なIPインターホンシステムを構築することができます。
◎工場でIPインターホンを活用するメリット
工場におけるセキュリティ強化や連絡手段の効率化は、日々の業務を円滑に進めるうえで欠かせません。遠隔操作や外部機器との連携が可能なIPインターホンは、こうした工場特有のニーズに応える手段として活用できます。また、IPネットワークを利用し機器同士の通信を行うIPインターホンであれば、敷地の広い工場でも柔軟に設置できるのが大きなメリットです。管理事務所から離れた出入り口や倉庫、作業エリアにも設置できるうえ、ネットワークを介して一元的に管理できます。さらに、IPインターホンはスマートフォンやタブレットなどの端末と連携できるため、管理事務所や守衛室に常駐していなくても来訪者対応が可能です。これにより、常駐スタッフの削減も実現できます。とくに、24時間稼働する工場では、夜間の来訪者にも遠隔で対応できるため、業務負担軽減も可能です。映像と音声による双方向通信ができ、セキュリティレベルを損なうことなく対応できるのも安心です。また、音声や映像は記録として保存できるため、万が一トラブルが発生した際にも証拠として活用できます。さらに、既存システムとの連携も可能なIPインターホンであれば、入退室管理システムと連携し、誰がいつどこへ入退室したかを正確に管理することも可能です。これにより、昼夜問わず稼働し多くの人が出入りする工場にとって、安心のセキュリティシステムを構築できるといえます。加えて、IPインターホンは接続台数に制限がないため、複数拠点との連携も可能です。本社と工場、あるいは部署間でのスムーズな情報共有を促進し、連携の強化につながります。音声だけでなく、カメラを通じた映像情報も共有できるため、現場の状況をリアルタイムに把握することができ、コミュニケーションの円滑化や迅速な意思決定、緊急時の明確な指示伝達などにも貢献します。さらに、IPインターホンは導入コストにおいてもメリットがあります。IPインターホンを取り付けする場合、既存のネットワークインフラを活用できるため、大がかりな電源工事や配線工事が不要です。専用サーバーを設置する必要もなく、システムの連携や統合によって機器の数を抑えることもできます。これにより、省スペース化やコスト削減にもつながります。そして、柔軟性高いIPインターホンであれば、将来的な工場の成長や変化に合わせて機器の追加やシステム連携も行いやすいのが魅力です。工場のニーズに応じて柔軟なシステムを構築できます。
◎工場でも活用できるGIGA-TECHのIPインターホン
GIGA-TECHのIPインターホンは、最新のIP技術を取り入れた高性能なIPインターホンです。広大な敷地や複数の出入り口をもつ工場であっても、柔軟なIPインターホンシステムを構築できます。従業員用のスマートフォンに専用アプリをインストールしておけば、遠く離れた出入り口の対応もスマートフォンから遠隔で可能です。管理事務所や守衛室に管理用端末を設置すれば、出入り口のIPインターホンとの映像通話や、管理室から専用アプリへの通話もできます。これにより来訪者の対応だけでなく、従業員との連絡手段にも活用できる仕組みです。ネットワーク通信を利用するめ、機器の通信に距離制限はありません。敷地が広大な工場であっても、複数の出入り口を管理室などから一括管理することもできます。
〇工場のメイン出入り口に最適なIPインターホンPE01
GIGA-TECHのIPインターホンPE01は、シンプルな操作性と使いやすさが特徴のIPインターホンです。工場のメイン出入り口へ設置すると、管理人室や守衛室などに設置した管理用端末から映像通話や解錠ができるだけでなく、専用アプリをインストールしたスマホなどの端末からも来訪者に対応できます。そのため、巡回中でも携帯したスマホなどの端末から来訪者の確認や応答、遠隔操作で解錠も可能です。どこからでも来訪者に対応できるため、誰かが管理室に常駐する必要もなくなります。人件費を削減しつつ、建物のセキュリティは維持できる仕組みです。また、従業員などが工場内に立ち入る際は、顔認証、ICカード認証、暗証番号、QRキー、アプリでの解錠が可能です。とくに顔認証は認証精度が高くなりすましや偽造が困難なため、部外者の立ち入りを禁ずる工場での活用に最適です。出入りを許可された従業員の顔を事前に登録しておけば、認証機器に顔を向けるだけで解錠され、利便性も高まります。非接触で解錠できるため、衛生管理が求められる工場でも安心して活用できます。毎日訪れる業者などに対しては、スマホアプリから来訪者用QRコードを発行し共有することも可能です。これにより、毎回インターホンを鳴らして対応するといった手間が削減され、よりスムーズな入退室が実現します。入退室の履歴は記録されるため、誰がいつ訪れたのかを把握できて安心です。高画質な映像と音声は保存することもでき、トラブルが発生した際に履歴を確認することもできます。また、防塵防水性能はIP65等級であり、さまざまな工場の環境にも柔軟に対応可能です。来客対応を効率化するだけでなく、セキュリティを高めて安全な工場の運営に貢献します。
〇各エリアの出入り口へ最適なIPドアホンPD01
GIGA-TECHのIPドアホンPD01は、工場にある倉庫や生産ラインなど各部署の出入り口に最適なドアホンです。訪問者がPD01を鳴らすと、管理室にある管理親機や各部署にいる従業員のスマートフォンに通知が届きます。高品質な映像で来訪者を確認し、遠隔操作で解錠も可能です。IPドアホンの通信に距離制限はないため、管理室が遠く離れていても各部署の出入り口を管理することができます。従業員や作業員が入室する際は、ICカード、QRコード、アプリ、専用ICカードで解錠できます。一時的な利用を許可したQRコードを来訪者に共有することもできるため、定期的に訪れる業者に付与しスムーズな入退室を実現することも可能です。誰がいつ入室したかは記録がのこるため、セキュリティ面も安心です。また、広角レンズ、100万画素のカメラを搭載し、来訪者の顔や周囲の状況を鮮明に確認することができます。LED補助照明も搭載されているため、暗所や夜間といった環境であっても視認性が高いのが特徴です。PE01同様に、防塵防水性能はIP65等級です。さまざまな工場の環境に適応し、便利なIPインターホンシステムを構築することができます。
◎GIGA-TECHのIPインターホンを工場へ導入した事例
GIGA-TECHのIPインターホンは、セキュリティを高めるだけでなく、工場業務の効率化にも貢献します。多機能でありながらシンプルな操作性で使いやすく、多くの工場で導入が進むIPインターホンです。
〇複数の部署が点在する工場へのIPインターホンを導入した事例
広い敷地に作業棟や倉庫が点在している工場では、出入り口と管理室が離れていることで来訪者対応が非効率になりがちです。納品や運送業者の対応を現場作業員が作業を中断して対応することもあり、業務効率の低下が課題でした。そのような状況を改善するために、IPインターホンが導入されています。IPインターホンPE01をメインの出入り口へ、各部署の出入り口にはIPドアホンPD01を設置したところ、管理事務所や現場リーダーのスマートフォンから来訪者に応答・解錠が可能となり、昼夜問わず効率的な来訪者対応システムが実現しました。管理事務所と離れた場所にある部署でも、管理事務所から一括で出入り口を管理し来訪者に対応することが可能となり、作業員が業務を中断する必要もなくなりました。これにより、予定された作業がスムーズに進行し、全体の生産性向上につながっています。
〇物流倉庫を併設した工場でIPインターホンを導入した事例
部品を製造し出荷する工場では、倉庫と工場が別棟で構成されており、敷地全体に複数の搬入口やゲート、受付が存在しています。1日数十台のトラックが出入りするため、受付から倉庫担当者までの連絡や誘導に時間と手間がかかるのが課題です。そこで、IPインターホンを導入したところ、管理室から正門や搬入口といった各出入り口を一括管理することできるようになりました。これにより、受付にかかる手間を大幅に削減し業務効率化が実現しています。夜間や休日であっても一括で各出入り口に対応できるため、人員の削減にもつながっています。また、IPインターホンに標準装備された映像録画機能により、過去の記録を確認することもでき、誤配送やクレームといったトラブルに対する対応力も向上することができました。
◎まとめ
IPインターホンは、接続台数や通信距離に制限がないため、大規模な敷地や複数の出入り口を有する工場への導入に最適です。IPインターホンを活用した遠隔地からの来訪者対応だけでなく、外部機器との連携やスマートフォンとの連携により、工場業務の効率化にも貢献します。GIGA-TECHのIPインターホンとIPドアホンは、工場のメイン出入り口や各出入り口で使い分けも可能です。工場におけるIPインターホン導入をご検討の際は、GIGA-TECHまでお気軽にお問い合わせください。